変わりゆく、また変わりゆかない宮古島。

また見事なまでに遅くなってますけど。
ゴールデンウィークに三たび宮古島を訪れました。
今回は、「驚いた/ちょっと考えてしまった」点にフォーカスして書きたいとおもいまふ。

フラット化。

今回の旅でなにより驚いたのが、これ↓


なんと、宮古島ヴィレッジヴァンガードが!!!

ヴィレヴァン進出、というかまあイオンの頑張りが成した業なんでしょうけども、これにはほんとにびっくりしました。
もちろん中に入っていろいろ見たんだけど、首都圏近郊のショッピングセンターに入ってるお店と品揃えなどほぼ同じ。
宮古島の人たちも正月にここの福袋で一喜一憂できるかと思うと半笑いになってしまう。



「おじいとおばあに刺激を与えにやってきた」
宮古の若者の人生を狂わせたい」

別に2,3回行った事のある旅行者ふぜいがどうこう言う事じゃないですけど、まあ、正直ものすごい違和感。
もうちょっと地元色だしてもいいんじゃないのかあ・・・とどうしても思ってしまう。
でも現地の人からしたらこれは嬉しいでしょう。東京から移住した同世代の人とちょっと話したところ、やっぱり暇があれば行ってしまうようです、みなさん。


そしてもういっこ驚いたのが、これ↓


これじゃよくわからんとは思いますけど。なんとこれ、ブックカフェです。
宮古島にブックカフェ!まず2〜3年前までは想像だにしなかった事態。
まさか宮古まで来てやまだないとの「西荻夫婦」をなんとはなしに手に取って読む状況が訪れるとは思わなんだ。


そして、これも有名だけど宮古島ロックフェス
これももはや定着してきているのか、いたるお店にチラシなぞ置いてありました。


ほんとにここ2,3年で、新しい業態というか島の人の生活スタイルに影響を及ぼしそうなものが次々と訪れているようです。フラット化。
繰り返すけどこれは我々ふぜいがなんやかんや言うところではないと思います。
ただやっぱり、島に対しての影響力ってすごいもんだと思うので、数年のスパンでどんな変化が出てくるのかはちょっとよく見ていたいなあという感じです。
「変わらないでほしい」なんて部外者の身勝手な願望だとはわかっているんだけど。


伊良部大橋。

平成24年の完成を目指して、現在伊良部大橋の建設が進んでいます。
宮古島と周辺の島とを結ぶ橋、現時点では池間島来間島の2カ所に存在してるんですが、伊良部/下地島とを結ぶ第3の橋として着々と工事が行われています。
前回訪れた2年前より、着実に橋はのびてきていました。

宮古島と海峡により隔絶されている伊良部島は、離島であるが故に医療、教育、福祉等の面において多大な不利・不便を余儀なくされており、過疎化の進行や産業の衰退等、離島特有の諸問題を抱えている状況にある。
 このような離島苦の解消を図るため、昭和49年に当時の伊良部村が架橋要請活動を始めて以来、継続的な要請活動が展開されてきた。そのため、県は平成4年度から基礎調査等を着手し、平成12年度には一般県道平良下地島空港線として県道認定を行うとともに、平成13年度からは着工準備調査を実施してきた。
 伊良部大橋の建設は、現在の不安定な海上交通から、安定性・随意性が確保された陸上交通に変わることにより、伊良部島の医療・教育環境の改善、生活環境や福祉の向上及び地域の活性化が図れる。また、平成17年10月に誕生した宮古島市の一体化と効率的な行政を支援するとともに、架橋による物流コストの低減や市場拡大による経済の活性化、下地島空港の利用促進など、宮古圏域の地域振興に大きく寄与するものと期待されている。

すごい、今はじめて知ったけど地元の人からしたら30年越しの悲願、なんですね。
橋ひとつで人や経済の往来がぜんぜん変わってくる(現状フェリーに乗らないと旅行者は移動できないからね)のでとっても大事な話だと思うんだけど、こと伊良部/下地には↓のようなとっても大事な場所があるのです。

ちょっとタイミング逸したけど基地問題

その橋が宮古本島と結ぶ事になる伊良部/下地島。ご存知の方はご存知だと思いますが、この下地島には(現在は)パイロット養成を主目的にした空港:下地島空港が存在するのです。
で、このタイミングで何を書くことがあんねん、と言えば、(若干時期を逸した感がありますが)静かに基地問題の舞台になっていたのです。

今となっては辺野古の海を埋め立てて移設が強行されようとしているという、ある意味サイテーな結果になりつつあるんだけど、そもそも小沢さんの口から「辺野古の海を埋め立てるより下地島空港にすべき」なんて言葉がでてたんですよね。

おそらく、ロジックとしてはふさわしい場所として選ばれるべきだったんでしょう*1。ここは。
3,000mもの滑走路があり、戦略的に(それこそ沖縄本土より)重要な先島に存在し、かつ民間に解放されていない空港なんて、どう考えたってここ(あと沖縄本土近くの伊予島)ぐらいしか存在しないっていう話です。


元々ここはダイビングをやる人間の中ではすごく有名で、宮古島の主要なダイビングスポットはだいたいこの空港の近くに集まってるんです。
なので潜って船にあがってくると、空港でタッチ&ゴーの練習をしている機体がひっきりなしにグルグルまわってて、それはそれは壮観な景色なんです。


そんな下地島空港、過去の歴史をみると街の経済活性化の為に自衛隊誘致の運動をしたり(結局住民の反対で拒否されてましたが)、常に軍事問題の矛先になったりしていたり。
なので今回の普天間の話で移設対象になるのはけっこう宿命的な話だったようなんす。
で、これもまた当然な話で、現地での反対運動もすごかったよう。
今年頭には、政府の視察隊が来た際に、宮古島の大多数のダイビングサービスが(お客のいるいないに関わらず)空港近くに船を出して「このあたりは皆が愛している場所だ」というアピールをしたんだそうな。


考えてみれば、いくら比較的沖縄で大きな島/街のある宮古であっても、向こうの人からしたらいきなり米軍基地が入ってきてそれを受け入れられるかといったらそんなことは不可能なわけで。
徳之島ばかりがクローズアップされてきましたけど、ここ宮古でも静かに戦いが繰り広げられていたようなんです。
結局辺野古で落ち着いちゃったので下地の危機は回避されたと思うんだけど、県内に落ち着いちゃってるという事に宮古の人もひどく落胆してるんだろうなあとは思います。


ニュースやWebだけじゃわからないような事に触れられたという意味で、それがやっぱり今回は大きかったかなあ。


となんかまじめな事いっぱい書いてますけど、やっぱり今回も最高の島だなあと改めて思いました。
ただ現地に行って2日目には梅雨入りするっていう痛いタイミングではありました。。。

*1:ホリエモンも当時こんなかんじで推してました