その3:そして、遂に御姿を拝めた系。

Daniel Johnston@ラフォーレミュージアム原宿 2/9


7年前の来日を、当時重要性をそれほど理解しておらず仕事にかまけてスルーしてしまい、その自分の愚かさをずっと悔やみ続けておりましたところ突然去年末に発表された再来日の報せ。
ホントにビックリしました。

とにかく非常に不安定な人なので、チケット買って会場に行って開演時間になっても全然実感がなくて、実際に目の前に出てきて演奏を始めてもギターも歌ももう冗談みたいに不安定なんだけど、あのしぼりでてくるような、したたりでてくるような歌にどうしようもなく引きこまれてしまいました。
1時間半が5分くらいに感じてしまった気分。

悪魔とダニエル・ジョンストン [DVD]

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↑とりあえず、興味が少しでも湧く人はこれを見るといいと思います。僕は映画館で泣きました。家でもDVDで泣きました。

Bob Dylan@Zepp Tokyo 3/24, 3/28


そして御大中の御大。
よもやゼップなんかでみられる日が来るとは思ってもいませんでした。
けっこう「お前ディランなんか思い入れあんだっけ?」ってよく言われるんだけど、オカンが昔から実家でずっとかけていたこともあり、また子供の頃から気にいっていたレコードのジャケ*1をいまだに部屋の壁に飾っていたりして、ずっとディランの声と姿はすりこまれていたのです。たぶんビートルズよりもユニコーンよりもすりこみ年月は長いす。

んで、今回はじめて御姿をみられたわけなんですが。
すげえ元気でやんのディラン!68ですよディラン。
イギーポップは完全に老いに逆らっている感じがしてあれはあれですごいなと思いましたけど、ディランは逆にとてもうまく老いにのっかっている気がしました(イギーを例に出すのはよくないですね)。


演奏は、ディラン自身は事前に聞かされていた通り基本的にはキーボード時々ギター。といっても演奏の要となるキーボードもギターも他にちゃんといて(ギターはチャーリー・セクストン!チャリ坊!)、ディラン自身の奏でる音はいわばお約束的。
そんなわけで演奏にはバックの力強さのおかげで演奏にはしっかり満足できて、その上あんなに楽しそうに、時には無邪気にキーボードを奏でるディランや、笑顔や最後にはちょろっとガッツポーズまでみせたディランに、とてもとても満足できたのでした。

考えたらマトモにディランの屈託のない笑顔をみられたのは、写真を含めてもほとんど記憶になかった気がする。

血の轍       (紙ジャケット仕様)

血の轍 (紙ジャケット仕様)

↑「血の轍」からけっこうたくさんやってくれた(行った両日では、ですが)。このアルバムって曲名の邦題が今みてもすばらしいんですよね。『彼女にあったら、よろしくと』とか。ロドガブの日本盤担当は菅野ヘッケルさんの仕事を見直したほうがいいと余計なお世話ながら本気で思う。

*1:フリーホイーリンのジャケだけど、当時のコロンビアの編集盤のレコードでした