チェ 別れの手紙

チェ・ゲバラ2連発。第2弾。

チェ 別れの手紙
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ベニチオ・デル・トロ
★★★

革命の英雄、チェ・ゲバラを描いた歴史ドラマ2部作の後編で、キューバ革命後もなお世界の革命を指導することに闘志を燃やすチェ・ゲバラの死までを衝撃的に描く。監督は『オーシャンズ』シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ。オスカーを受賞した『トラフィック』以来のソダーバーグ監督作出演となるベニチオ・デル・トロが、風ぼうまで似せてチェ・ゲバラの革命への熱意を体現。すべての人の自由と平等のために闘うひたむきなチェ・ゲバラの姿に心が熱くなる。


前作よりも増して垂れ流し。観る前に若干期待してたドラマティック感など皆無に等しい。
2時間以上、延々と緊張感が張り詰める感じ。こういう映画が苦手な人には拷問に近い感じでしょうかね。



一応、自分は後ろ向きな性格だからなのか?革命を成し遂げる展開の前作より、破滅に向かってどんどん追い詰められる展開の今作のほうが楽しめました。
救いようがないし、この映画だけ観たらなんでゲバラボリビアで闘いを続けたのかが全然説明されない。なーんも報われてないんです。だからこそ、余計に緊張感が迫ってくる。



なんかあれだ、シン・レッドラインを思い出した。
とりたてて戦争シーンがキレイな映像になってるわけじゃないんですけどね。ゲリラだし。
地獄の黙示録プラトーンみたいに映像のウラに隠れてる要素が重要なものとはちょっと違うし、かといってドンパチドンパチ系の戦争映画ってわけでもない。
まあ、そんなかんじ。



ただ、そういう映画をゲバラを題材にして撮ることにどんな意味があるのかっていうのは、結局最後までわからずじまい。
監督は何がしたかったんでしょうね?
闘争に生きるゲバラの情熱を描いた映画なんてすでにあるから*1、今作ではそういう要素は極力抜いたってことなんでしょうか?



そういう意味だと、邦題が思わせぶりなのはやめてほしい。
なんかドラマティックな要素とか期待しちゃうじゃないか、別れの手紙って。
そんなタイトルなら、カストロとの境遇がどんどん違っていってしまったり、ゲバラが"外国人"扱いされるサマをもっとみせる内容になんないとおかしい気がする。


最初っから「こういう映画よ」ってわかってたら、こんなに評判悪いことない気もすんだけどなあ。
そういう意味で残念でした。完。