「仕組み」に埋没して浸る音楽
なんかすごく、「仕組まれた」感がある時間でした。いい意味でも悪い意味でも。
ステージにはピアノがあるだけ。
セットもなく、すごくシンプルな空間。
国際フォーラムには珍しく、非常灯も消灯する徹底ぶり。
開演前からただならぬ緊張感につつまれておりました*1。
新作がとんでもなく抽象的な作品だったので、こんなんどうやって演奏するんだろう?と思ってたんだけど、冒頭からその新作の曲を連発。
あれですよ、その場でピアノ弾いてループさせてましたよ。
もうあれだね、世はループブームだねこれ。
ただ、そこは世界のサカモト、ループのディレイタイムを少しづつズラしていくという離れ業をやっておられました。
でもこれが、曲が終わる頃には再び演奏とループが噛み合うんです。
今回の公演は、いろいろとトピックがありまして。
ライブ音源をiTunesで販売。
これ書いてる現時点ではまだですが(当たり前か)、全公演、終演後24時間以内にiTunesで配信するそうです。
それに併せて、セットリストも教授の気まぐれで?日によって異なるご様子*2。
1曲のみ、演奏シーンを撮影OK。
新作の「composition 0919」にて、撮影OKの指示*3。iPhoneなので寄れないのですが、上の写真はそんときの。
それだけ聞くと「ふふん」って感じだけど、携帯のシャッター音と客席の待受画面の光が、すごい効果的でいい演出になってました。
チケット代に、カーボンオフセット代が含まれる。
また本ツアーのチケット料金には、カーボンオフセット代を含んでいます。料金には、日本国民1人当たりが1日に排出するCO2約6kgのうち1kg分をカーボンオフセットする費用が含まれています。
*カーボンオフセットは、環境保護団体more treesが進める森づくりによって実行されます。
more treesはじめた頃は「ああ、いろいろやってんな」くらいの認識しかなかったんですが、こうも徹底してるとちょっと捉え方変わりますね。
あと、CDプラケースの回収なんていう事も会場でやってました。
・・・まあこんなかんじで、いろんな仕組みが渦巻いているわけですよ。
その仕組みに、聴衆である我々がまんまとはまっているかのような、不思議な構図でした。
中にはたぶん息苦しく感じる人もいたのではないかと思います。
純粋に音楽に浸ろうと思っている人は、その仕組みひとつひとつに賛同するか否かはケースバイケース。
「やることなすこと全てマンセー」っていうわけにはいかないけれど、この人が提示するいろんな仕組みにまずは触れてみて、取捨選択する。
そこでビビッと来た仕組みに埋没してやればよいんじゃないかと思います。
そんな自分は、このライヴは「意外と楽しめた」っていうのが正直なところです。
で、残念だったこと。
-
- 予想通り、新作の曲とそれ以外の曲が雰囲気違いすぎ。
- 隣のオッサンがイビキかいて寝てた。
- 子供連れ。しょうがないんだろうけど、やっぱり子供にはつらすぎるでしょう、このライブは。
なんか周りの環境のボヤキばっかり最近言ってる気がする。
「集中力がないんじゃないか」と指摘を受けましたが、そんな気もする。
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ちなみにやたらと「仕組み」という言葉がでたのは↓を読んだばっかだから。
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