親が幼い子供に与えるべきものって。

先日のEntryで「坂本龍一のコンサートで子供連れが残念だった」旨書きましたけど、その後いろんな場所で同じような感想が書かれていて、やっぱりみんなそう感じてたんだなあと思っております*1


で、その影響を考慮してか、坂本龍一メーリングリストに、去年末に、教授が"子供を連れてのコンサート鑑賞"に関して行った発言の内容が再掲されてました。

(抜粋)
ぼくの自分の子供が小さいころ
いい音楽や映画に接して欲しいといろいろと努力をしましたが、
往々にして大人のそういう熱意を子供は「メイワク」と
感じることがあるようです。
3歳のいやがる息子を無理矢理押さえつけて「2001年宇宙の旅
を見せようとしたのですが、5分もたたず泣き出してしまい、
こちらは腹立たしいし〜子供には大きなトラウマが残ったようです。
いいことはありませんでした。
また「子供のためのコンサート」と銘打って
早い時間にピアノのコンサートを開催した際、
来場してくれた他のお子さん達の多くは
演奏を楽しんでくれていましたが、
ウチの子供は1人、外のロビーを走り回っていました。
本当に上手くいかないもんですね。


次回のツアーも、年齢制限を設けていません。
お子さんをお連れになる親御さんや保護者の方に
くれぐれもお願いします。
子供がぐずったり、じっとしているのが辛そうな場合は、
ロビーにでも出て、深呼吸をさせてあげてください。
泣き出した場合「いやだ」という
シグナルということもありますので、
その場合も外に出るなどの対処をお願いします。

3歳の子供に2001年宇宙の旅ってそもそもどうなのよっていう話もありますけど、けっこう考えるべき話だなあ、と思うところがあります。


おそらく、おそらくですけど、坂本龍一のコンサートに子供を連れてくる人って、「子供を預けるのが難しい」というよりも、「子供に教授の音楽と触れ合わせたい」って思ってる人が多いんじゃないかと。



そう考えると、ああいう子供連れを頭ごなしにけなす事がしづらい。
いや、まだ当然子を持つ予定なんぞありませんけど、仮に自分の子がこの世に現れた暁には、とにかく色んなものをインプットして早いうちから豊かな土壌を築かせてやりたいなー、等とほとんど妄想に近い考えでいましたので。



でもこういう、親からの一方的な「あるべき論」みたいなものの押し付けって、注意深くやらないと逆効果にしかならないんでしょうね。
自分の状況について思い出すと、嫌がっていたのに無理矢理親父にキャッチボールに駆り出され続けた挙句ここまでの野球嫌いになりさがったっていう面もあるかもしれないし、やたらとオカンに服屋に付き添わされ続けたために、未だに自分で服を買いにいくのに抵抗があったりします。



今回の話と自分の話を同じ括りにするわけにもいきませんけど、子供を豊かにする"手助け"と"押し付け"の境界線って、どうやってひいたらいいんだろう。
そんな事を考えてしまいました。


毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

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*1:チケットは買ってるんだから子供を連れて行くくらい当然の権利、等という低レベルの話ではないです、ここでしたいのは