今年の苗場。其の壱



さて、苗場から降りてきて、1日仕事をして今帰宅したとこです。
例年ならこの仕事初日ってだいぶテンションが落ちている自分との闘いになるのだけれど*1、今年はそういったものに特に苛まれず、ある程度テンションを保って1日過ごせました。



なぜか?
仕事がやたらと立て込んでたというのもあるけれど、本質的な答えはひとつ。
今年のフジが、ここ近年では一番といってよいほど充実していたからです。



思い出すこと1年前、自分はフジロックに対してこんなにダークになっていたので、メンツの久々の充実具合を横目に「今年からは惰性で行く事になるのかなあ」なんて思ってた時期も静かにあったりしたので、この後味の良さは予想外でした。



といいつつ、運営側に何か改善があったのかというと、それはよくわかんないです。
去年クスリで逮捕者がでたらしくやたらとマナーに関してのメッセージが多くなってそれが影響したのか、はたまたホントに運営の質をあげるための工夫が知らないところになされてたのか。
わからん。
わからんけど、不満らしい不満というのが残っていないというのは明らかに変化があったんでしょう。



じゃあ直接的に何が影響してこんなに後味がよくなったのかっていうと、こちらの行動や態度の変化というか、いくつか去年までと違う感じを取り入れてみようって思ったんですね。
もはや苗場も11回目。ただダラダラしてたらそりゃマンネリ化するって話です。
もちろん各アクトが例年以上に楽しめたというのもあったんですが(それは別で書こう)、「違い」の部分もいくらか影響したのかなあ、と終わってみてから思いました。


影響してるしてない/実践できたできなかったに関わらず、今年の変化は以下。
フジのアミューズメントをただ普通にやってるだけのものがほとんどなんだけれど、変化は変化なので。


NASPAに行く回数を減らしてみる

いきなり「は?」みたいな事を書いてますけど。
越後湯沢駅の近くに、ホテルオークラ系のホテル「NASPA」というのがありまして。
ここ、この近辺にしては設備がキレイで、また日帰り温泉がすごい広くて空いてて落ち着くんすよ。
大体朝9時くらいにキャンプサイトを発って悠々と車でホテルに馳せ参じ、1日分の疲れと汚れを落とし、あげくラウンジでおいしいコーヒーとケーキを舌鼓、お昼まわったころに会場に戻って・・・なんていう、サバイバルさのカケラもない
優雅なイベントを、初日からテント撤収後の月曜朝まで、ここ最近は毎年4日続けてやってたんですね。



いや、気持ちいいんすよ。
なんたって汚れやニオイも気になるお年頃。清潔さを保って毎日がリフレッシュ・ブランニューデイ。
でもね、これやると至極当然の話ながら午前中が丸つぶれなんですね。
グリーンステージから朝一発目に響く「田舎に行こう」なんて聴けやしない。いやむしろ聴いてからNASPAへ出発。
ていうかそれ以前に、上記の様を活字で表したらなんかものすごくカッコ悪い気がする。人に説明できない。



というわけで・・・今年はNASPA行きを4回から2回に減らしましたw
2日目と撤収後のみ。
そしてラウンジではコーヒーのおかわりは極力自粛。
その甲斐あってか、今年は初日朝の「田舎へ行こう」を5年ぶりくらいにステージで聴き、また初のドラゴンドラ搭乗を果たしました(後述)。
フェスでの優雅さは適度に。




↑雨にも負けずステージに群がるゾンビたち。こんな光景がみれたのも朝からステージ近くにいたからか。


ドラゴンドラで上に行ってみる

上記の変化により、2003年に登場したドラゴンドラの上の世界にはじめて足を踏み入れました。
前々からこの世界のカオスっぷりは聞いていたのですが、いざ自分の目でみるとその威力はいかんなく発揮されましたね。




↑パンダがギターひいてます



↑「暑い」と言ってパンダが脱皮したらおっさんが出てきて、最終的にはエルビスプレスリーになり「千の風になって」を熱唱。近くでは他のパンダさんとライオンさんが歌にあわせて踊っていました。



冷静に書いてると頭がおかしくなってきそうですが、これも一つの醍醐味として存在していることを肌で感じることができました。
ひさしぶりに新しい(新しいというか自分が今までみていなかったところをみただけなんだけど)面を見ることができました。


ほんのすこしオープンマインドになってみる

今の同行者にもひとり、苗場の初回から一緒の奴がいまして。
「そういや最近現地で知り合いつくってねえな」なんて話をちょっとしてたんですね。
それともうひとつ、「お前はこういうところに来ると不愉快フラグのたつ閾値が低くなる」という指摘を受けたりもしまして。



別に友達作るために見境なく「イエーイ」とか叫んでドカドカ行ったりするつもりは毛頭ないし、ニコニコマンに突然豹変するつもりも毛頭ないんですけど。
ここ数年、あんまり周りの知らない人間とオープンかつ穏やかな気持ちでコミュニケーションをとってなかったんじゃないかなあと思ったので、そこを少しだけ意識してみようかなと思ったのです。



そんなわけでけっこういろんな人としゃべりましたが*2、やっぱりなんというか、このフェスの最大のうまみは「ヘンな奴の異常な多さ」と「笑顔の異常な多さ」ですね。
ボールをちょっと反れた方向に投げても、取りに行かない人間などほとんどいない。
「ハメはずし」なんてチープな表現を使うまでもなく、楽しくその場を過ごす事にパワーを使わずやりくりできる人のなんと多いことか。



やたらと話しかけてくる人も多いんだけど、少し冷静になれば普段苦手がちな初対面のやりとりも、不愉快フラグもたてずにやりくりできていた気がします。
こんなぴあや日経エンタテイメントにも書いてありそうな事を、改めて感じたような気がします。


ジャンベセッションに参加してみる

あとはこれ。
いつからだったか忘れましたが、こういうジャンベセッションに参加できる場所ができてたんです。
去年も実は行ったのだけど、セッション開始のタイミングでいってしまったので、砂の入ったペットボトルを渡されて「適当に振れ」みたいな事を言われて「こんなもんでビートが刻めるか」的なノリで、要は上記で言う「不愉快フラグ」がたってしまったんですね。


今年も参加のタイミングは悪かったのだけれど、去年よりはややグレードのアップしたでんでん太鼓みたなブツを渡されて、16ビートを刻んで楽しみました。


twitterを活用してみる

最後のは実践できなかったポイント。
考えてみたら、今回はiPhoneを手にしてから初めてのフジ。
ということは、近くにいる不特定多数とtwitterでつながれるということです。
上記のようにただでさえ人との繋がりの障壁が少ない場所で、かつつながった瞬間に既にひとつ「共有要素」がもてるような関係はうまく利用できるんじゃないかなあ・・・と思ってたんですけどね。





ダメでした。何がダメだったかっていったらインフラの問題。ていうかiPhoneの問題。
初日から雨雨雨。iPhoneを手につぶやき続ける余地などまるでなし*3
挙句の果てに、電波の入りの悪さと行ったらあなた!



というわけで、この点は活かしきれませんでした。ちょっと残念でしたね。
うまく使えた人がいたら、どんなだったかちょっと知りたいもんです。




こんなかんじかなあ。
まあ当たり前の事ばかりではあるのだけど、意外にこうやって考えの上で実践してみるとちょっと違うなあと、この年になって考えてしまいましたよ。
まあそんなんもひっくるめて、今年はここ数年では特に充実していました。
アクトの話はまた。




↑今年のベストショット"兄弟"




p.s: 今回は、去年まで苗場に同行していて今同じ職場にいる人間が、自分が不参加になってまでも僕が後腐れなく参加できるよう取り計らってくれました。そいつには多大なる感謝。です。

*1:去年は休職中だったので関係ありませんでしたが・・・

*2:一番ヘンだったのは、韓国から日本に初めてやってきてその翌日に苗場まで来たというアメリカ人。べろんべろんの状態で僕のカレーを勝手に食っていきました

*3:ZipLockにいれて操作してる人がいっぱいいました。なるほどななんつってヘンに感心しちゃいました